恥ずかしくて顔を下げてると、
タクさんの名前を呼ぶ声がする。



顔を上げて、もう一度キス。



そう思ったとき、


ぱぱー


クラクションの音が夜の町に響いた。



「やべっ」



とっくに信号は青だったみたいで、
二人顔を見合わせて噴出す。



車を運転してるタクさんを観察しながら、
車はどんどん進む。



「タクさんとキスするの・・・好き」



ぼそっと聴こえるか聴こえないかの声で言ってみた。



タクさんはぶっと噴出すと、


「なんだ、色ボケか?」


って慌ててた。



「なんかね、
今まで誰でも顔が近づくの嫌だったんだよね」



「でも、タクさんは平気なの、
っていうかもっとって思っちゃうんだよね。
ほんと、不思議・・・」



タクさんはもう止めてくれって
困った顔してて、私もその様子に顔が緩む。