21世紀人のカルテ

・・・


・・・誰かが俺を覗いている。


さっきの女か?

それとも騒ぎを聞いて駆け付けた駅員か?



どっちでもいい。


せめて、一人でも殺してやる。


俺は地面に落ちたナイフをどうにか握って、覗きこんでいる奴に顔を向けた。



そこには

笑顔があった。


恐れでも怒りでもない。

悲しみでも驚きでもない。

笑顔があった。



しかし、ただの笑顔じゃない。


歪んだ笑顔。


ぐにゃりと曲がっている。


この笑顔・・どこかで。