雅…見た目だけで判断すると小学生高学年程度の年齢の人間の子供。
すらりと伸びた足を惜しげもなく露出している。
思わずどきりとしてしまった銀だが
(いやいやいやいや!!人間に…しかも子供に!欲情する変態は茜だけで充分だ!!!)
とりあえず頭をぶんぶん振って冷静になる。
そしてまた分析。
とてもきれいな顔立ちである。
大きな黒目がちな瞳がくりくりとよく動く。
髪形はショートカット。
ボーイッシュな感じだ。
髪を伸ばせばきっと似合うだろ…いやいやいやいや!
何を妄想しているんだ俺!
また頭をぶんぶん。
とにかくお人形のようとはこう言う事を言うのかと感心。
分析終わり。
「ねぇ?わんわんがぶってしない??」
おそるおそる手を伸ばす子供。
どうやら銀の毛並みを撫でたいらしい。
(冗談じゃない!人間なんかに触られてたまるものか!)
と起き上がろうとする。
ふらり。
(ダメだ…傷が深い)
銀は確かに長く生きた狼だが治癒能力は普通の狼と変わりない。
「わんわん怪我してるの?」
噛み付かれる心配も忘れ、駆け寄ってくる雅。
最後の抵抗…ぎろりと睨みつける。
一瞬ひるむが近寄ってくる。
(嗚呼…こんなガキに心配されるなんて…)
など考えながら意識は…

……
………
ぱたり。