目を開けて、健ちゃんの顔から自分の顔を離すと、びっくりした健ちゃんの顔があった。


放心しちゃってる。

「ごめんなさい。アタシのファーストキスはどうしても健ちゃんがよかったの。これでもう、ちゃんとけじめつけるから。 引きずったりしないから。これからも仲良く出来るように。」

アタシの言葉に、健ちゃんが照れ笑いを見せた。


「すっげー不意打ち。オレ、めっちゃ歯食いしばったのに。ハズいじゃん。」


「へへっ」


「でもそんなにオレのコト好きになってくれてありがとう。嬉しいよ。」


いつもの大好きな笑顔でそう言うから、また泣けてくる。


今日で泣くのも終わりにするから、もう少しだけ、好きでいさせてね。


大好きだったよ…


多分あっちゃんに対する気持ちは、恋と言うより、家族愛に近くて。


勘違いしてたんだ。

健ちゃんを好きになって、初めて色んな気持ち知った。


キスしたいって思ったのも、健ちゃんだけなの。


きっと、コレがアタシの初恋。



今まで、ありがとう…