「うん。ってか何でお前が謝んの?別に俺が落ちたのは椎名のせいじゃないし。もしや密かに試験官操って、オレを落とし入れたのかっ!? なんて(笑)」

「…」

有也の冗談も笑えなくて、何て声をかけたらいいのか分からない。


「ってかマジでオレは大丈夫だからっ!お前が思ってるほど落ち込んでないし。椎名と違って、ちゃんと滑り止めは考えてあったし。滑り止めは受かったから。それにまだ二次試験もあんじゃん?まぁ一次よりは厳しい枠だけどさ、挑戦してみようと思ってるから。」


次は絶対受かるっ!って笑った有也は、今までで一番輝いて見えた。

かっこいいと思った。


アタシも、当たって砕けてみようかな…

って有也が砕けるっていう意味じゃなくて!


恐れずに前向きに進む姿勢が、うらやましいなって、そう思った。


かすかな希望を信じて…