「いいよ。ホント言うとオレも、夏美の花嫁姿見んのはきつかったんだ。」
そう言って笑った彼。
あつしには内緒ねって、人差し指を口元にあてる。
イタズラっ子みたいな笑顔が可愛い。
とてもあたしより7つも年上なんて思えないや。
彼の笑顔につられて笑う。
「やっと笑ったね。うん、美緒ちゃんは笑顔のが可愛いよ♪」
こういうコト、さらっと言えちゃうのは大人だなぁ。
あたしは照れてしまう。
「名字は何ていうの?佐藤じゃないんでしょ?」
意地悪に笑う彼。
「… 椎名デス。」
小さく呟くように言ったあたしに、萩原サンは満面の笑顔で言った。
「じゃあ、椎名美緒ちゃん。そろそろ式に参加しようか☆」
…萩原サンがいてくれて、ホント良かった。

