目の前が急に真っ暗になった。

「海斗!」

美紅は俺の制服にしがみつく。

「何が…あったんだ?」

闇はとても深い。が、自分と美紅の姿だけはしっかりと見えている。

「驚いた?僕の能力。」

突如、頭上から声が降り注いできた。

「!誰だ!!」

頭上を見上げるが、何も見えない。

「あ、ごめんごめん。自己紹介がまだだったね!僕は革命派。アビリク名“時の旅人”だよ。」

「時の…旅人。」

美紅が慎重にその名を口にした。

途端に視界が開け、元の世界に戻れた。





…かのように思えた。