「吉田さん、今日のところはタカシ君を連れて帰ってください」佐々木が言った。

トシ子とタカシを学校から送り出した佐々木は、疲れた顔で校長室に戻った。

「校長先生、あんな問題のある生徒を抱えて、僕は教師としてやっていく自信がありません」

「そう落ち込まないで、これでもやって、元気を出しなさい」弱音を吐く佐々木に、校長が注射器を手渡す。

佐々木はそれを腕に刺し、中の液体をゆっくり静脈に流し込んだ。

佐々木の表情が虚ろになる。

「こうちょふせんせぇ、ぼく、やっていくじひんがありまひぇん・・・」


  おわり