冬の吐息///作成中

★18時50分★

私たちは伊藤を待ち伏せした。

愛は伊藤を見つけると走って伊藤を呼び寄せた。

「伊藤くん、明日ヒマでしょ?」

「…なんで?」

「明日、買い物行こう。麻葵とあともう一人と4人で」

「はぁ?」

「お願いね、詳しくは麻葵から聞いて。あっ…ヤバ、じゃあ帰るね」

「ちょ、ちょっと」

後ろに幸野がいるのを見つけ、私すら置いて帰ってしまった。



仕方なく伊藤と帰ることになった。

日が暮れて、朝より寒くて白い息が出る。


「愛と幸野がイイ感じらしい」

「え?あいつらデキてんの?」

「多分、明日デキる」

だから2対2で出掛けたいと事情を話した。


伊藤は黙った。



「なぁ、山沢」

断られると思った。

「俺達も幸野たちみたいにならないか?」

意味がわかんない。

「伊藤、先生を演じるの?」

伊藤が眉間にシワをよせた。
左手に持っていたサッカーボールを落とし、私の前に立った。

「だから好きなんだ」

ギュと抱きしめられた。
汗くさい。

どうしていいかわかんなかった。

「もうそういう関係にはなれない感じなのかな?そうなんだろ?なんか言えよ」


「伊藤…わかんないよ、急に言わないでよ」


伊藤を私を離し走りだした。


落ちたサッカーボールがそのまんまにされている。