『初めまして。河村弁護士法律事務所から移籍して今日からこちらの白鷺弁護士法律事務所でお世話に成る後藤晧覬と言います。』


俺は頭を下げ自己紹介をした。



〈右に同じ。今日からこちらでお世話に成る小野乖離と言います。〉


小野も頭を下げて挨拶をした。



【あぁ~。これから後藤弁護士、小野弁護士が我々の仲間に成ります。色々と解らない事も河村弁護士事務所に居てた時と勝手が違うと思うのでみんな二人に色々と教えてあげて下さい。】


白鷺の親父がみんなにそう言った…



俺と小野はあの忌まわしい訳の解らない案件を請け負ってから約二ヵ月後の事だった。



あの案件はここに居る白鷺 聖と言う弁護士でここのオーナーである親父が仕掛けた罠と言うのか?虚偽と言うのか…



俺と小野の実力を知る為に仕掛けたと言う事だったけど…



とんだタヌキのおっさんだと思ったよ。



それに…



能ある鷹は爪を隠すって言うけどまさにこのタヌキ親父がそうだと俺は思ったからな…



【じゃ一人ずつ挨拶をしていって貰おうか?】


白鷺の親父がそう言うと…



〔じゃ僕から…〕


白鷺がそう言って一歩、前に出た。