「雅!おい起きろよ!」
大きな声で目が覚めた。
「うっうぅん・・・悠太ぁ?」
寝ぼけた声で雅は目を覚ました。
「なんだよ寝ぼけてんのかよ!」
ケラケラ笑いながら悠太は言った。
「そんなに笑わないでよ。てか雅・・・寝ちゃったんだ。隼人・・・隼人目覚ました!?」
悠太は笑うのを止めて少し悲しそうな顔をした。
「兄貴は・・・まだ目覚ましてねぇよ。でも寝言なら言ってたけど?」
今度はクスクス笑いながら悠太は言った。
「寝言?」
「あぁ。雅・・・雅・・・ってずっと言ってんだよ。本当ラブラブだよなってあっ・・・悪りぃ」
「ううん・・・大丈夫だから」
『ねぇ隼人・・・雅達もう一度やり直せるかな?』
しばらく沈黙が続くと、雅は口を開いた。
「ごめん悠太・・・ちょっと隼人と二人きりにさせて?」
溢れだしそうな涙をこらえて雅は悠太に言った。
「わかった・・・兄貴はさ・・・まだ雅のこと好きだよ。雅に少しでもその気があんならもう一度兄貴とやり直してくれよな?」
それだけいうと悠太は病室から出て行った。
「隼人・・・。あんなひどいこと言ったのにまだ雅のこと好きでいてくれたんだね。ごめんね隼人。早く目覚ましてよ。雅を・・・一人にしないで」
雅は隼人の手を握りながら泣いた。
すると少し隼人の指が動いたようなきがした。
「!?隼人?・・・隼人!隼人!」
雅は隼人を何度もゆすった。
「・・・雅?俺・・・なんで・・・ここ・・・どこ?」
自分の今の姿に驚きながらも隼人は雅に聞いた。
「病院だよ!良かった。目覚めて・・・ごめんね隼人。雅のせいで。ごめんね」
雅は何度も何度も隼人に謝った。

