「確かに猫見に来るぐらいなら、来てもいいゾ。そう言ったはずだ」 「そうよね~」 「なのに、こう頻繁に来るな」 「ひんぱんではありませーん。」 いじけた口調になる。 暑い雨の日、私―山口 綾 は猫と会った。 ひげが長くて「先生」と名づけた。 猫好きな私にはたまらない。 しかし、飼えなかった。 マンションはペット禁止なのだ。 そんなとき、小西と会った。