「どういう事か、説明してもらおうか」


「ああ。とりあえず、謝らないといけないね、本当に、ごめん。君の大事な彼女を・・・利用するような真似して・・・」


男はそう言うと、深く頭を下げた。


――――・・・


話を聞くと、店長・・・と言っても俺とあまり年の変わらない、結城さんは岸本 瑠美に頼まれて、こんな事をした。



こんな事を頼まれても、好きな女に頼られると・・・それだけでも喜びを感じる。
惚れた女が笑顔でいるなら・・・



「分かんないなぁ…私。」


「男心は、複雑なんだよ。」



苦しい思いをするのに・・・そう言った瞳のように、女には分からない男の恋心がある。



結城さんのそんな恋心を、あの女は利用した。