仕事仲間であろう男の人と一緒に、こちらへ歩いてきたのは・・・



「いらっしゃいませ。」


瑠美さんのニコニコとした応対に…


「こんちわ。いつもので。」


胸キュン確実な笑顔でそういったのは…


「かしこまりました♪少々お待ち下さい。」


瑠美さんが喜んでコーヒーを入れる。

その間にも私は、固まったまま。

そしてそれをレジ越しにクスクス笑ってる人・・・


「はい。お待たせしました♪どうぞ♪
あれ、瞳ちゃん?どうしたの?」



コーヒーを渡し、固まった私に気づいた瑠美さん…。


「や・・・えっと…。」


慌てる私に、ついに口を開いた人…


「フッ、そんな驚くなよ。全然気づいてなかったのか、会社、すぐそこだろ?」


え!!そうだっけ!?


ってそれより、まさか瑠美さんの惚れてるお客さんって


「瞳ちゃん、知り合い?」


「おい孝幸、知り合いなのかよ!紹介しろよな!」


その…孝幸だったなんて。。


「知り合いっつーか、瞳は俺の彼女。」


私の頭をぽんっとして、隣りの男の人に言った。


「はっ!?まぢで!?まぢ可愛いし。」


驚く男の人・・・そして、私はチラッと横の瑠美さんをみた。


ニコニコ笑顔のまま。
でも分かった…目が笑ってない…。


「瑠美さん…?」


恐る恐る声をかけた。


「瞳ちゃんの彼氏さんかっこいいね♪
まさか、お客さんだったなんてびっくりしました。」


「瞳、ちょっとおっちょこちょいな所あるけど、元気だけはあるから、可愛がってやってね。」


「もぅ、孝幸。」


「ふふっ、瞳ちゃん可愛いから、仲良くさせてもらってますよ。」


瑠美さんがいつものような口調で孝幸にそういった。


「じゃあ、瞳、しっかり働けよ。終わったら、電話して。」


「うん…。」


もぅ一度私に笑いかけると、孝幸はまた会社の人とお店を出ていった。