「私…凉さんが悩んでるのに、何も出来ないのかな…。。」



そう言う真子の表情は、どことなく寂しそうだった。



「実はね、私も孝幸に聞いたことがあるんだ。」


「なんて?」


「その時はまだ付き合ったりしてない時で、孝幸がまだ大学受験の時だったんだけど、珍しく孝幸が勉強で煮詰まっちゃっててさ。」


「孝幸さんが?」


「うん。その時に、ただ孝幸の元気がないから、どうにかしてあげたいって思ったんだ、だけどまだ子供の私にはどうも出来なくて孝幸の前で泣いちゃったの」



あの頃は、子供の私が孝幸に何もしてあげられなくて、それがもどかしくて、よく泣いてたなぁ…。。



「それで、泣きながら…『私、孝幸に何かしたい!私なにしたらいい?』って聞いたの。」


「そしたら、孝幸さんは?」