もう一度…

美里と私がそれぞれ勤めている会社から丁度、中間の駅で待ち合わせの約束をして電話をきった。


「こんな良いタイミングで美里から誘いが来るなんて、神様も私に同情しちゃったかな。」

そんな事を考えながら待ち合わせの場所に着くと、すでに美里が待っていた。

美里は黒い女性用のビジネススーツに白いワイシャツのボタンを二つ開け、首には白金のハートが付いたネックレスをしていた。
髪は少し栗色で胸元まで届き軽く縦に巻かれていて、口許を彩るくすんだ紅色のルージュが大人の女性を演出していた。


それに比べて私は…これからお通夜ですか…?

「来るんじゃなかったかなぁ」

小さく呟き、美里の元にかけていった。