もう一度…

「元気ないですね。折角綺麗なんだから笑顔を見せてください。」


隼人の言葉に顔を咄嗟に上げてみると、そこには少年のような笑顔で見ている隼人がいる。


「ありがとう。」

心を見透かされていりかのような一言に、正直な感想を口にする。


「みっともないわね。こんなオバサンが若い子に見とれちゃったりして。」


「そんな事ないです。楓さんはオバサンであるまえに女性ですから!」



ズバッと言われた瞬間私は自分の性別を思い出した。

肩の力がいつの間にか抜けるのが解った。

「この子とは普通に話せるかも…」


それは遥か昔に忘れた女性の自分の感想だなぁと。私は隼人と暫く他愛ない話をした。