悪魔の彼2






「私……何にも考えてなかった。何やってるんだろう?心配してくれてたよね……そのせい?」







何かを訴えたかった



自分でもわからない何かを、たった一人の愛する人に向けて






「シル、おっと。結衣、病院への地図がはってあるみたいだけど近い?」




イアが指差すほうには、コルク板に張られた病院の場所がかいてあるメモがあった。


誰かが貼ってくれたらしい。







「うん、すぐそば。待って、タクシー呼ぶ。」



私は家にあった半年ぶりに見る電話を手に取ると、すぐよこのメモ帳に書いてあるタクシーの電話番号をみた。




素早く番号を押して住所を手短に伝える。




ずっと愛用していた財布を手にして、イアに待ってもらっている間に鞄を用意する。









服に多少問題があるが、着替えている時間はない。



王族はいつ何があるかわからない。

そのためドレス調でレースをふんだんに使った白とピンクのワンピースに、少し踵の高い花をイメージしたパンプスをはいていた。













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