そして、シルヴィアに向かって手招きをする。




「ほら、早く」






イアが空間の歪んだ印しの渦のふちを掴む。



それを見たシルヴィアは、自分のポケットからはらりと落ちた枯れかけたつながり草を素早く拾い、イアの元に走った。









「俺とシルヴィアが向かったこと、伝えておいてくれ!」






イアはシルヴィアがちょうど自分の手の届くところにきたのを確認するとそう言い放った。




そして間髪いれずに彼女の腰を自分の隣に引き寄せ、返事も聞かぬままに渦に飛び込んだ。







躊躇っている場合ではない。




シルヴィアの肩が隣で少しだけ震えるのがわかった



記憶を取り戻した今、少しだけトラウマになっているのだろうか?







この世界に来た時のように目をつぶらずに、移動する様子を見るシルヴィア




その目には、やはりちょっとした恐怖とそれに比べてとても大きい興味がありありと浮かんでいた。











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