「美須途……確か結衣の母親だったか?」
イアが使者に聞く
「はい、そうです!ゲートは私が用意いたします。どうかイア様もご同行を!」
まるでまくし立てるかのような口調
「ママ………今いくっ!」
シルヴィアは力強くそう言うと、真っ直ぐな視線を天使に向けた
「早くゲートを開いてっ!」
「シルヴィア」
半ば憤怒したようにもとれるシルヴィアの態度に、イアは若干驚きながらも、視線で諌める。
そして、小瓶に入った銀色の液体を飲み下した。
「これで俺も人間に見える。羽の出し入れも自由になるし……シルヴィアは心配しなくて良い。イークリンだし、結衣としての時間が長かったから、あちらに行っても特に問題はないはず」
イアがそう言うと、彼の左側にゲートが出来た。
確かにこの天使もゲートを開く力があるが、イアの方が速かったのだ。
.


