どうやら、戻ってきてそうそう、とんでもない人に会ってしまったようだった。
その後タクシーは、裏道を走っていき最短距離を通って病院へついた。
多少無理はあったが、この運転手のおかげか、なんと5分程で着くことが出来た。
「ほら、到着。早く行ってやんな」
しかし、この人、意外といい人らしい。
「ありがとうございました」
イアが頭を下げ、それを見た私も慌てて頭を下げる。
そして、手早く会計を済ませると病院の受付へと走った。
イアが固く手を握り、引っ張っていってくれる。
その手がなければ、病院を見た時点で私は崩れ落ちていただろう。
自動ドアが開くスピードさえももどかしく思いながらも、前へと進む。
「あの、この病院に桜井美須途っていう人が運ばれてると思うんですけど、どこにいますか?」
カタカタとパソコンを叩く音がするたびに、少しずつ焦る。
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