悪魔の彼2









少し場違いな格好な気もするが、今は気にしてる場合じゃない



自分の部屋から出て小走りにリビングへと向かい、冷たいが何故か埃は被っていない黒いドアノブに手をかける。







そしてその隙間から顔だけをだす。



「イア、もえそろそろくる。行こう?」







焦り、はやる自分の心を落ち着かせようとしながら、中に居てここの様子を見ていたイアに声をかける。




彼の存在は今の結衣にとってなくてはならない存在だった。








きっと彼がいなかったら、とっくに気を失って自分も病院にいたかもしれない




「そうだね……結衣、」





「何?」









「きっと大丈夫だ。心配しなくて良いんだよ。」






柔らかく変化した低い声で、そっと語りかけるように言葉を残すと、イアはこちらに向かってきた。















はっきり言って泣きそう


心配で胸が張り裂けそう



そんな私の心を知っていたかのようにかけられた言葉は、不思議とその鉛のようだった心を軽くした。