『…はぁ、どうしよう…』

入学初日に寝坊して、完全に出遅れた…。もう朝のうちに仲良しグループ出来上がっちゃってるみたいだし…。同中だった人なんて男子しかいないし…


1人でいる子、いるにはいるんだけどねぇ…




綺ちゃんだしな…


『夕輝!!』

いきなり呼ばれて、びっくりして振り向くと、そこにはこの学校で唯一同中だった、八島潤平(ヤシマジュンペイ)がいた。

『潤平、どしたの??』

あたしが聞くと、潤平は顔を真っ赤にして、あたしに耳打ちした。

『…綺ちゃんかわいくね??』

どうやら潤平は綺ちゃんに一目惚れしたらしい。

確かに綺ちゃんは少したれめの大きめの目が印象的で、何よりスタイル抜群なかわいい子である。

でも、さっきの唯との喧嘩の様子を見たら一目惚れもなかったことにするだろう。

しかし、潤平は、いたって本気である。

『お願い(>人<)アド聞いてきてくんね??』

『…いいょ。』

『まじっっ!?やったぁ!!ありがと、夕輝』

『…どういたしまして。』

頼まれると嫌と言えないあたしはオッケーしてしまった。

しっかし…どうしよう…なんて話かければいいんだ??なんかいかにも
『話しかけんじゃねぇ』
みたいな空気かもしだしてるしなぁ…
でも約束しちゃったし…

えぇぃっっ!!もうここまで来たらやけだぁッッ!!