「てめぇ…!」

背中の大剣に手をかける火の玉。

そういえば前回の戦いでは寸前で邪魔が入って、火の玉はとどめを刺し損ねたのだったな。

彼にしてみれば、俺は自らの仕事の依頼人…もしかしたら連れ合い…の命を狙う刺客だ。

ここで捨て置く訳にはいかないだろう。

特に言い訳をする気はない。

秘密結社から見限られたとはいえ、アキラから見れば敵に過ぎない。

今はナハトを狙う理由がないなど、こちらの勝手な理屈に過ぎないだろう。

こちらの言い分を聞かせて納得させるよりも、今はアキラの猛攻をしのぐ方法を考えた方が効率的なようだ。

燃料の残り少ないチェーンソーブレード片手に、俺は構える。

問題はどこまで討竜の剣を捌き切れるかだ。

前回の戦いであの剣の性能の高さは身をもって知らされている。

いつ機能を停止するかわからないこのブレードで、どこまで抗し切れるか…。

「今度は逃がさない…殺さないまでも」

アキラが剣を抜いて動く!

「二度とつけ狙う事かできないようにしてやる!」