僅かな薄布で肢体を覆っただけの、破廉恥な出で立ちの娘。
どこかで見た覚えがあると記憶を辿り、そういえばこの女はライストに到着したばかりの時に、大通りで見かけたフーガの踊り子であると思い当たる。
「なかなかの大立ち回りだったわね。芝居や演劇好きのフーガ人なら、面白おかしく演目にしてしまいそうな程の立ち合いだったわ」
コロコロと笑う娘。
艶やかな笑顔。
フーガ人は美男美女が多いと聞く。
この娘も素直に伸びた手足と色気のある体つきに端正な顔立ちと、男を魅了するには十分だった。
が、それだけでは信用に値しない。
「…貴様は何者だ」
「アイシャ・ターウェル。フーガの旅の踊り子よ」
「何故俺を助けた?」
「んー…多勢に無勢だったので、ちと見るに見かねてな…なーんて♪」
娘とはいえ、俺と一つか二つしか違わないであろうアイシャは屈託なく笑う。
…溜息を一つつく。
「お前は俺が何者かわかっていないな」
「当たり前じゃない、自己紹介しなさいよ、自己紹介」
…調子が狂う。
「Ⅵ番と名乗っておく。秘密結社の構成員だ」
言い終わって思い出す。
「…元な」
「秘密結社!?」
アイシャが瞳をキラキラさせた。
「すごーい!ライストでこの間劇場と孤児院が燃えたって言ってたけど、ああいう犯罪に加担してる訳!?Ⅵ番は悪者なんだ!?」
全く…物怖じしない娘だ。
どこかで見た覚えがあると記憶を辿り、そういえばこの女はライストに到着したばかりの時に、大通りで見かけたフーガの踊り子であると思い当たる。
「なかなかの大立ち回りだったわね。芝居や演劇好きのフーガ人なら、面白おかしく演目にしてしまいそうな程の立ち合いだったわ」
コロコロと笑う娘。
艶やかな笑顔。
フーガ人は美男美女が多いと聞く。
この娘も素直に伸びた手足と色気のある体つきに端正な顔立ちと、男を魅了するには十分だった。
が、それだけでは信用に値しない。
「…貴様は何者だ」
「アイシャ・ターウェル。フーガの旅の踊り子よ」
「何故俺を助けた?」
「んー…多勢に無勢だったので、ちと見るに見かねてな…なーんて♪」
娘とはいえ、俺と一つか二つしか違わないであろうアイシャは屈託なく笑う。
…溜息を一つつく。
「お前は俺が何者かわかっていないな」
「当たり前じゃない、自己紹介しなさいよ、自己紹介」
…調子が狂う。
「Ⅵ番と名乗っておく。秘密結社の構成員だ」
言い終わって思い出す。
「…元な」
「秘密結社!?」
アイシャが瞳をキラキラさせた。
「すごーい!ライストでこの間劇場と孤児院が燃えたって言ってたけど、ああいう犯罪に加担してる訳!?Ⅵ番は悪者なんだ!?」
全く…物怖じしない娘だ。


