何も語ろうとしない仁を見て、ウァルドは仁の手な握られた手紙を奪う 『あっ…。』 仁はようやく気付いたようで、慌てて奪おうとするがウァルドが読む方が早かった 『…婚約?』 不意にウァルドが呟いたその言葉に、仁の肩はビクリと反応する 『…っ。』 『しかも相手…これ…。』 ウァルドの眉間にも皺がよる 『な…なんでよりによって、婚約相手があの椿なんや…。』 椿…? 私は聞き覚えのない名前に首を傾げる すると何処からか、高らかな笑い声が響いてきた