バラン様はそのまま室内に消え、広場には私と仁だけが残った 『…シルフィアちゃん、ほな帰ろか。』 気まずそうに仁が言う 「うん…。」 私達は馬車にまた乗り込む ガタガタと馬車が揺れる中で、仁が言い辛そうに口を開く 『ごめんシルフィアちゃん。 自分も、バラン様の言ってた事は正しいと思う。』 「…え…。」 『シルフィアちゃんが行かへんのやったらウァルドの気持ちは裏切られた事になる。』 「………。」 更に気まずくなったのか、仁は窓の外をみてとっさに呟く 『今日は満月やな……。』