■■海斗■■■
『………別れて。』


たった四文字の言葉だったけど、


胸をえぐられる想いを抱いた。



でもすぐに分かった。


向日葵が嘘をついているって。


俺だって向日葵の幼なじみだ。


向日葵の癖的な物も分かってる。


向日葵は、


嘘をつくとき、


泣きそうな瞳になるんだ。


それは単純な癖かもしれない。


だけど、

今はそれが一番重要なんだ。


俺は向日葵を必死に止めた。


だけど、向日葵は振り向かずに部屋に閉じこもってしまった。


なぁ向日葵。


お前はどんな心境でデートした?


俺は幸せだったよ。


でも向日葵には迷惑だった?


向日葵の気持ちが、



解らない。



俺は、向日葵の部屋の扉にもたれ掛かって眠りについた。


眠りについても、



心の中にいるのは、











向日葵だけだった。