flower music

『……何の冗談だよ。』

と、海斗は苦笑い。


『あたしは本気だよ。』


その瞬間、海斗の表情が凍りついた。


分かった?あたしが本気だって。



『じゃあ何でなんだよ!?』

と、いつもより怖い口調で聞いてくる。


どーしよ……。


そんな事考えてなかった。


だってまだあたしは海斗が好きな訳だし。


わたしは思いきって、








『……飽きた感じかな?』


と言った。


『……飽きた?』


『そう。あたし達、ずっと幼なじみだったでしょ?


だからだよ。』


『でもそんな言い方はねえだろ?』


ガシッと掴まれる腕。


その上には、泣きそうな海斗の顔。


ごめんなさい、海斗。


これが現実なの。


『だからさ、……









幼なじみに戻ろう?』

作り笑いで言った。


でも海斗は怯まず、



『……ウソ、なんだろ?』


と、また言った。


『だから言ってんじゃん。あたしは……。』


『じゃあ何でそんな哀しい顔して泣くんだよ。』


え……?


あたし、泣いてる?


海斗がそっと瞼を触った。


指に浮かぶ涙。


あたし、泣いてたのか。


そんな事したら、台無しじゃん。