部屋の中へといざなうと、彼はあたしをベッドへと押し倒した。


もちろんあたしもそれを望んでいたから抵抗することなんてなかったし、何だかジルの顔も、楽しそうに唇が持ち上げられている。


温まっているあたしの体と冷たすぎる彼の体の熱が溶け合うように混ざり合い、グチャグチャになった中で快楽に襲われた。



「狂ってんな。」


そう、ジルはあたしの口内に指を突っ込み掻き回す。


歯を立てることは当然のように許されず、彼の指を舐めるように咥えながら、気付けばあたしは涙を流していたのだ。



「お前、すっげぇエロいよ。」


何となく、わかった気がする。


ジルの冷たい瞳はあたしの全てを見透かしているようで、そんなものの前では何ひとつ、偽ることは出来ないってこと。


煌びやかなシャンデリアも、高級なシャンパンもない一室。


安い缶ビールしかない、蛍光灯に照らされているだけのワンルームのベッドの上で、文字通りあたしは、ジルによって丸裸にされている。


そしてそんなことが、堪らなく幸せだと感じているのだ。



「何回イッた?」


考えることも、もちろん答えることも出来なかった。


わざとらしく聞いてきたそんな言葉に喘ぐことしか出来なくて、あたしの太ももを伝う指が肉に食い込み痺れるような感覚に襲われる。


痛くて気持ち良くて、一筋の涙がまた零れた。


何かもう、あたしも十分変態だよな、なんて思うんだけど。



「…レナ…」


そう、耳に触れたのは、ひどく優しくあたしを呼ぶ声色。


ゾクリとし、バックの体勢でジルは、最奥を突くようにして動きを速めた。