ギンちゃん。

彼の仕事は女の相手をすることだと、ジルが前に言っていた。




一言で言えば、女を風俗に落とすこと。


ホストと同じように色を掛け、でもそれは、彼らとは違った意味でのお金のため。


まずは金に困ってると上手いこと言って、女から全財産を絞り取る。


それでも更に上手いこと言って繋ぎ、次にはサラ金で金を借りさせるのだ。


もちろんそれは、嶋さんの組の息の掛かった金融屋で、彼はそれによってキャッシュバックを得る形になるのだとか。


返済が滞ればまた上手いこと言って、今度は組の抱える風俗に落とすのだという。


そこでもギンちゃんにはキャッシュバックが入り、彼はそれをなりわいとしているのだ。


落とされた女はもう、戻れない。


例え膨れ上がった借金を全て返済出来たとしても、今度は別の人間がその子に色を掛けるのだという。


元々騙されやすい人間が選ばれたのだから、それは簡単なことらしい。


時には同じように組の抱えるホストクラブに行かせるように仕組むなど、手口は巧妙と呼べるだろう。


そうやってギンちゃんに落とされた女は、一生ループから抜け出せなくなるのだ。