「雨宿り?」


顔を向けるとそこには、少しばかり眠そうな彼の姿。


あたしはギンちゃんを待っていたのだ。



「ここに居れば会えると思って。」


「何やそれ。」


今まで、色んな場所のコンビニで、彼に遭遇していた。


だから適当などこかのコンビニで待っていれば、いつかは会えると思ったのだ。



「何で俺がコンビニマニアやってわかったんや?」


珍しく、おどけたようにギンちゃんは、肩をすくめて笑っていた。


そして店の軒先で、あたしと同じように佇み、少し憂鬱そうな顔で宙を仰ぐ。



「告白なら勘弁やし、ストーカーはもっと勘弁やで?」


「じゃあ、無視してれば良いのに。」


ホンマやね、と彼は、やっぱり何故だか笑っていた。


曰く、雨やと気張るのもダルいわ、らしい。