アイズもあたし自身も、もう限界なのかもしれない。


何があっても動じず、凛としていた蘭サンは、もういない。


常に笑顔で、くだらないことを言って笑わせてくれたサキちゃんでさえ、もういない。


いつも隣に居て、あたしを心配してくれていた葵だって、もういないのだ。


必死でこの場所に留まることの意味を、見失いそうになった。


誇りもプライドも、そんなの持ち合わせてはいないはずだったのに。


でも今は、苦しくて堪らないのだ。



「レナさん、飲み過ぎですよ。」


声を主を、無意識のうちにきつく睨み返してしまう。


今のあたしを心配してくれるのは、嘘の仮面と甘ったるい香りを放ちながら笑う、彩だけなのだから。


あたしは彼女の目には、無様に映っているのだろうか。


腹の底ではこんなあたしを滑稽だとでも言いたげに笑っているのかとさえ思え、唇を噛み締めた。


トイレで吐くほど酔うなんて、本当に久々だった。