次には手術室から看護師と、キャスターに乗った眠ったシュウが、茫然とするばかりのあたし達の横を通り過ぎる。


ちょっと前に会って、将来の夢や好きな子のことを語ったはずなのに。


ついこの前だって、メールしたばっかなのに。



「シュウ!!」


「やめろ、レナ!」


何でもするし、あたしの命だってあげるから、だからシュウを助けてほしかった。


あの子は決して、死んで良い人間なんかじゃないのに。


駆け寄ろうとしたあたしを、ジルははがい締めにするように静止した。


あたしの悲痛な叫び声ばかりが冷たい廊下に響き、ただ泣き崩れることしか出来なかった。


病室でシュウは、点滴と、何かの機械に繋がれていた。


そして口元の酸素マスクが規則的に曇り、辛うじて生きていることを教えてくれる。


あれほど元気だったはずなのに。


また来る約束は、こんな風にして守りたかったわけじゃないのに。