「あのさ、拓真。
ちょっとお願いあんだよね。」
『…あんま良い頼みには聞こえないねぇ。』
拓真のそんな、苦笑いめいた台詞は多分、聖夜クン絡みだとわかっているのだろう。
それでもあたしは一度呼吸を落ち着け、再度口を開いた。
「仕事、終わってるよね?
聖夜クンとさ、話がしたいの。」
『…聞いたんだ?』
「うん、拓真にも伝わってたんだね。」
『まぁ、その程度はな。』
別れた、という言葉はお互いに、使えなかったのだろう。
それでもやはり、ふたりの関係が終わったってことを、よりリアルに感じてしまう。
『聖夜と、何話すつもり?』
「心配しないで。
あたしは聖夜クンを責めるつもりないから。」
『…じゃあ、何?』
「聞きたいこと、あるんだ。」
拓真があたしと聖夜クンをあまり会わせたくないってことは、わかっていた。
葵の味方のあたしが彼を責めるつもりだろうと思われてるのは当然のことだし、拓真はどっちの肩を持つことも出来ないだろうから。
それでも冷静に言葉を紡げば、彼はわかった、と言ってくれた。
ちょっとお願いあんだよね。」
『…あんま良い頼みには聞こえないねぇ。』
拓真のそんな、苦笑いめいた台詞は多分、聖夜クン絡みだとわかっているのだろう。
それでもあたしは一度呼吸を落ち着け、再度口を開いた。
「仕事、終わってるよね?
聖夜クンとさ、話がしたいの。」
『…聞いたんだ?』
「うん、拓真にも伝わってたんだね。」
『まぁ、その程度はな。』
別れた、という言葉はお互いに、使えなかったのだろう。
それでもやはり、ふたりの関係が終わったってことを、よりリアルに感じてしまう。
『聖夜と、何話すつもり?』
「心配しないで。
あたしは聖夜クンを責めるつもりないから。」
『…じゃあ、何?』
「聞きたいこと、あるんだ。」
拓真があたしと聖夜クンをあまり会わせたくないってことは、わかっていた。
葵の味方のあたしが彼を責めるつもりだろうと思われてるのは当然のことだし、拓真はどっちの肩を持つことも出来ないだろうから。
それでも冷静に言葉を紡げば、彼はわかった、と言ってくれた。


