我がままな王子


やめてよ…二人とも喧嘩しないで
よ。


「佐々木先輩にずいぶんえらそう
なんですね。何様ですか」

「こいつは俺の手下だ。どう扱お
うが俺の勝手だろうが」

「えっ!?」

驚いた池上君が私を見た。


「あは…」

「本当ですか?」

「う、うん…」


黒川君は勝ち誇ったような顔をし
て満足気だった。

私は別にばらされてもかまわない
けど、後輩相手にちょっと恥。


「脅迫されてるんですね?大丈夫
僕が守ってあげます!」

「いや…えっと…」

いちから説明しなくちゃならない
のは、大変めんどくさい。
それにいずれは池上君の思いを断
ち切る事になるわけだし。


「脅迫じゃないんだ。私がそうし
たくてそうしてるだけ。だから大
丈夫だよ」