「私達が悪いし、ほら勉強のじゃ
ましちゃったから!出て行こう
か」
うまい事取り繕って、池上君をう
ながせたつもりが、彼は私の腕を
振り払うと黒川君に向かった。
「ちょっ…」
「確かにうるさくしたのは悪かっ
たと思いますけど、そこまで言わ
れる筋合いはないと思います」
「で、俺にあやまれって?」
黒川君もイスから立ち上がり、池
上君に向かった。
…険悪な雰囲気。
こういう時に限って誰も来ないし
先生を呼びに行くわけにもいかな
いし。
「あ、あの、黒川君ごめんね。池
上君もほら、黒川君は悪気あった
わけじゃないし、ね」
「お前は黙ってろ」
黒川君に一喝されて、私は体が竦
んだ。
