青の国にきて、この城の小さな部屋にも慣れてきた姫であった。


ただ、服の生地少し薄くてやや寒かった。

でもペチコートが少なくて、歩きやすい事に気付いた。

少し退屈しはじめたこの頃。

赤の国の姫は、ずっとついてきてくれたおつきに 尋ねる勇気を出した。


「わたくしの国は今、どうなっているのですか。おとうさまとおかあさまは、ご無事なんですか。」


不安げな顔をして眉間に 似合わぬしわを作った。
姫の美しい顔にできるしわさえ、きれいだとみとれてしまう・・・おつき


「はっ・・・」


ゴクリ・・・

つばを飲み込み、語りだしたおつき。


なんだか最近元気がなかった。


姫は知っていた。


なんだか国に、一大事が起きたと。


姫は気休めだと思いながらも、


窓に向かい立った。



そして、海風を入れた。


金色の美しい長い髪がたなびいた。


風にのる美しい旋律。


"愛の歌"


姫は歌いだした。

おつきを元気づけるために。



でもそれは、自分をなぐさめ勇気づける歌でもあった。