「行ってきまぁ-す...」
今日もさみしくひとりつぶやき、玄関のドアを閉める。
ガチャ...

だが今日はいつもと違う。
学校につくと、

人の騒ぎ声も、
車の走る音も、
ドアを開ける音も、
何も聞こえない。

聞こえるのは風のビュービューという音だけ。

こんなさみしさのあふれている校舎を見たのは初めてだった。


昇降口のドアを抜け、下駄箱で靴を履き替える。
その瞬間...

チャリンッ

ポケットから家の鍵がすりぬけてゆく_それにアタシは気付かない......