「いーのいーの、心配なんか勝手にかけさせとけばさ」


顔をしかめる私に、冗談ぽく笑うレキ。


何か…


「…ゼンと正反対の意見だね」


ぽつりと呟いた私の言葉に、レキは「そーだなー」と言って空を見上げた。


「昔っから、意見衝突はよくあったな。ゼンは用心深いタイプだし、俺は突っ走るタイプだし」


はは、と笑ったレキの表情が、とても愉しそうで。


そんなこと、レキにとっては関係なかったんじゃないか、って思えた。


「…こんな俺だから、率直に訊くけど」


不意に、レキの瞳が私を捉えた。


重なった視線に、どくんと心臓が高鳴り、妙な緊張が私を襲う。


「答えたくなかったら、答えなくていいから」


私が何か言う前に、レキは次の言葉を口にした。





「ララちゃんて、過去に海賊と何かあった?」