歩んだ道は短くても、俺たちは紛れもなく"仲間"だったから。
「…ララちゃん…」
レキはララの名前を口にすると、がっくりと項垂れた。
すると、突然ニーナが立ち上がり、声を張り上げた。
「…なら、ゼンの言う通りだわ!あたしたちは、気持ちを切り替えなきゃ」
船員たちはその言葉で、次々と立ち上がる。
その表情は、いつもの活気ある表情に戻っていた。
「ララが護ってくれたなら、あたしたちも前に進まなきゃ!…でしょ?ゼン」
ニーナが悪戯に、俺に向かってウインクした。
それを見て、思わず苦笑する。
「…その通りだよ」
単純と言えば、単純だけど。
それがここにいる仲間のいい所。
「でもなぁ~…」
一人だけ不満そうな声を上げたのは、レキ。
ちらりと俺を見ると、口を尖らせた。
「ゼン、お前も男だろ?男なら、好きな相手を無理やり奪う強引さってもんが…」
…またそこに戻るのか。


