波が激しさを増し、小さな竜巻を造り出す。

突如吹いた風に流され、竜巻は遥か彼方へ飛んでいった。


「「おおお―――――…」」


みんなの歓声が、私の自信を高める。


満足そうに笑いながら、ジークは私の背中を叩いた。


「完璧だな。あとは竜巻がゼンくんの所へ連れていってくれるか、だ」


おおまかに言えば、竜巻に私自身を運んでもらうことになった。


問題は、Queen号の場所が、竜巻にわかるかってことなんだけど…。


「大丈夫だよ。想いが強ければ、なんとかなる」


ジークの励ましに、私は微笑んだ。


「ありがとう、ジーク」


「礼を言うのはまだ早いけど?…よし、今夜決行しよう」


―――今夜。


その響きに、心臓がドクンと脈打つ。


「夜までに、みんなに挨拶しとけよ」


「…うん」


あまりに早すぎる別れに、胸が痛んだ。


それと同時に、ゼンたちに逢うのが少し怖くなる。


私は…受け入れてもらえるのかな?