紺碧の地図


私はゆっくりと、瞳を閉じた。


「………」


…わかってた。


最初に思い浮かぶのは、他の誰でもない―――ゼン。あなただけ。


こんなにも、私はあなたを想っているから。



瞼を持ち上げると、サンの真っ赤な髪が一番最初に目に入った。


綺麗な赤には映えない、悲しそうな表情で、サンは私を見ていた。


「…私、サンが好きだよ」


ぽつりと、そう呟く。


僅かに反応を示したサンは、先を促すように黙っていた。


「あの日。壊れてしまいそうな私の心を救ったのは、間違いなくあなただった」


優しく、そして強く励ましてくれた。


太陽のように…眩しいくらいの光で、私を照らしてくれたの。


「でも、」


そこで言葉を区切って、サンを見た。


揺れる瞳を、真っ直ぐ捉える。



「私が心を預けたのは―――――ゼンなの」



…言った。

言ってしまった。


心に閉ざしていた感情を、私は今、言葉にした。