心の奥がじわりと熱くなって、唇を噛みしめる。
「…ありがとう」
震える言葉で、そう言うのが精一杯だった。
サンは何も答えず、ただ黙って微笑む。
それが余計に、私の涙を煽った。
「…ね、サンの部屋はどうなってるの?」
私の急な質問に、サンは一瞬面食らったような顔をした。
「俺?」
「うん」
このままここにいたら、泣いてしまうような気がして。
だから…早く離れたかった。
「…見る?」
少し困惑したような、そんな表情でサンが自室の扉をほんの少し開いた。
その行動に、今度は私が驚く。
ゼンは、絶対部屋なんか見せてくれなかったのに。
「いいの?…見たい!」
好奇心で顔を輝かせ、私はサンの部屋に足を踏み入れた。
私の部屋とは、また違う世界。
キラキラと輝く装飾は何もなく、シンプルな家具が置かれているだけ。
そんな単調な空間でも、心地よい何かがあった。


