見上げる先には、大きな海賊旗。


風に靡く太陽のマークが、朝日に照らされて眩しく光った。



「―――ララ!?」



誰かが船の上から顔を出したけど…逆光で見えない。


けど、声でわかる。


「ジーク…?」


「うわ、本物?取りあえず上がって来いよ」


船に掛けられた梯子を、一段ずつ登っていく。


甲板に足をつくと、太陽の光で一瞬目が眩んだ。


「…来てくれたんだな、ララ」


その声に目を細めると、鮮やかな赤が目に飛び込んでくる。

ゼンの船より、倍以上はいる海賊たち。


その中心で、私を真っ直ぐに見据えているのは―――…



「―――――サン」



私が名前を呼ぶと、サンはゆっくりと、けど確実に私に近づいて来る。


私の目の前で立ち止まると、サンは複雑そうな表情を浮かべた。


「いいのか?俺たちの船で」


「あれ、私は必要ない?」


私が意地悪くそう言うと、サンは珍しく慌てた。