「…よし、」


「ゼンたちも六時に出航するの?」


次に来る言葉がわかってそう訊ねると、ゼンは苦笑した。


「…そうするよ」


「うん…わかった」


明日が、運命の分かれ道になる。


でも…大丈夫。

私の心は、もう決まったから。


「ジーク、サンにもわかったって伝えてくれる?」


「了解」


笑顔で返事をしたジークは、すぐに部屋を出ていった。


今この部屋には、私とゼン、レキ、ニーナ。


そして窓から遠くに見えるQueen号には、他の仲間がいる。


ゼンたちの出航と、サンたちの出航は…きっと違う場所。


「…ララ」


ゼンに名前を呼ばれ、私は笑顔で振り返る。


「今日は、何しよっか!」


「はい!俺とララちゃんでデート…嘘ですごめんなさい」


「あら?何で途中でやめたのかしら?」



四人の賑やかな笑い声が、部屋に響く。


絶えず吹き抜けていた小さな風が…止んだ。