紺碧の地図


私は好奇心から、ジークを見つめた。


「…知ってるの?」


ジークは頷くと、部屋の窓から街の風景を眺めた。


「海と、繋がる為だよ」


…海、と?


眉をひそめる私に、ジークは苦笑した。


「海と繋がったら…誰かさんに逢えるかもしれないから、って」


「え…?」


再び私を見るジークの、微笑みの意味を理解すると同時に、身体が熱くなる。


誰さんって…もしかして。



「―――サンは、お前に逢う為にこの街を造ったんだよ。…ララ」



…目眩がした。


サンの、想いの強さに。



サンは私を、忘れてなんかいなかったのに。


約束は護れなくても、私を想ってくれていた。


なのに、私は―――…


「だーっ!ララちゃんをそっち側に引き込もうとすんのやめろって!」


「別に、俺は事実を…」


「…ララ?大丈夫?」


ニーナに肩を叩かれ、ハッとした。


心配そうに私を見るニーナの表情が目に入り、思わず作り笑いを浮かべる。