「んララちゃ―――――ん!!」


「避けてララッ!!!!」


ドカッ!と鈍い嫌な音が響く。


「あ…ごめんレキ」


見ると、見事に扉にぶつかって伸びているレキの姿。


丘から帰ってきた私は、ジークの家の扉を開けた。


その瞬間、レキが目の前に迫ってきていて。


思わずニーナの声に従って避けた結果が…


「ううう…ララちゃんひでぇ…」


コレです。

ごめんレキ…たんこぶが痛そう…。


「いいのよ、ララ。もっと哀れんであげて」


「え…」


「っはー!? ふざけんなニーナてめぇッ!」


いつものように、ぎゃあぎゃあとケンカし始めるニーナとレキ。


その光景を見て、視界が緩んだ。


「ちょ、聞いた!? ララ!こいつあたしのこと―――…」


「…ララちゃん?」


二人の驚いた表情が目に入り、私は頬を伝う涙に気付いた。


「…どうしたの?」


ニーナが、そっと私の頭を撫でる。


その優しさが、今は何故か辛かった。