「…本当、バカだよな。それを聞いた仲間は、目の色を変えたよ」
「………」
「そして俺に、居場所を迫った」
悲しそうな顔で笑うから、余計になんて声をかけたらいいのかわからなくなる。
黙ったままの私に、サンは再び乾いた笑い声を漏らした。
「笑っちゃうよ。天空人を排除すれば、報酬を貰えるなんて」
俺たちと同じで、生きてるのに。そう続けたサンの言葉に、視界が揺れる。
…私も、例外じゃないから。
人魚は排除の対象にはされてないけど、狙われていることは事実。
それも…自分の利益しか考えていない輩に。
「所詮、金に目が眩んだ人間は、悪魔になるんだ。…今までに築いた信頼とか、友情とか…関係なく」
「…サン」
「はは。俺たちも、崩れるのは一瞬だったよ」
そんな、泣きそうな顔しないで。
…その言葉を、私は飲み込んだ。
「拷問されたんだ、俺。今まで仲間だったのに…教えなきゃ殺すとさえ言われた」


