それに対して、サンにはなんの迷いもないように思えた。


―――恐ろしいくらいに。


「俺を殺す為に、生きてきたんだろ?」


「…違っ―――」


「違うとは言わせない。お前の強さ、見せてみろ」


ぶつかり合う金属音、刃が空を切る音。


この場で奏でられる全ての音が、哀しみに溢れている気がした。



二人の進む道は、どこですれ違ってしまったんだろう。


でも…どこかできっと、重なりあう。


今だって、実際に逢えたんだから。


だから―――…





「―――――やめてっ!!」





ゴォ、と強風が吹き抜けた。


これが私の"チカラ"なんだと、身体を巡った不思議な感覚で実感する。


「…ララ」


ゼンとサンが、驚いた顔で私を見ていた。


二人は構えていた剣を、ゆっくりと降ろす。


それを見届けてから、わたしはゆっくりと二人に近づいて行った。